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古びた海馬(懐古主義者の歌)

古びた海馬(懐古主義者の歌) 文豪の吸う金鵠の煙。 平成が石畳を闊歩する中 この肉だけが昭和である。 踏んだ跡には赤錆がつき 指の跡には蔦が這う 未来を盲いた色盲は 現在を失っていくのだ。 歯車ばかりを見つめている。 色とりどりのネオンサイン 外灯と星々だけが、変わらぬ、穏やかな炎。 未来の落とし子たちに紛れて、 僕だけが過去に歩いていく。


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